住民が少数であっても、コミュニティをきちんと作って、相互支援する体制が準備されていれば、集落は維持される。
地方に発生するミクロな求人と、都市部のミクロな求職者をつなぐマッチングシステムを構築することが、地元の高校,地方大学の重要な役割である。高校は生徒を有名大学へ送り込むことを目的としてはならない。人間のコミュニケーション能力を作り、相互支援のできる人間育成を目標とすべきである。
日本は付与された民主主義を育てることさえ出来ぬまま実力主義、成果主義で家長の成信、学校の教師を批判し、民主主義の絶頂期において、その恩沢を最も豊かに享受していた世代集団は育ちつつあった民主主義と足跡にした、そして農村共同体も消滅した。
それに替わって出現した組織原理が株式会社化である。しかし、株式会社は徹底的に非民主的な組織である。
家庭も学校も企業もどこにも民主的な合意形成で運営されている組織なんか存在していない。民主主義を知らないから国会に民主主義が無くても不満を感じない。何らかの政策決定で自分たちの意見が無視されたと感じたメンバーは、トップの失敗を「ざまあみろ」と嘲笑するだけでその失敗に自分たちの責任があるとは思わない。
民主主義は国が好調であるときにはきわめて非効率的なものにみえるが、国難的危機の時には強い復元力を持っているものである。民主主義は単なる多数決の原理に従えば良いというものでは決してない。ベンサムに尋ねてみてほしい。
令和5年4月1日
廣 田 稔