孫に触発されて、経済の本に接する機会が付与された。
経済とは、人間の共同生活の基礎をなす、財・サービスの生産・分配・消費の行為、過程ならびにそれを通じて形成される人と人との社会関係の総体、転じて金銭のやりくりのことである。
経済学とは、単に世界を経済がどのように形づくっているかを見るだけでは足りない。社会関係の総体を観る能力を備えた上に観察しない限り、単なる事実を羅列するという知識の集積に過ぎないことになるおそれが大である。
学問と呼ばれるには、演繹(Deduction)法の基になる普遍的命題(公理)を見いだすプロセスが必須である。そのことが知識を知恵に変えるということに繋がる。その人間の共同生活が経済の基であるので経済上はその公理が唯一を除いては絶対的なものではありえず、相対的というか歴史的に限時的なものである。
唯一絶対的なものは、学問は人類社会の永続のためにという目的だけである。そのプロセスの途につくには経済学の基礎理論並びに人間の歴史の学習が必須である。
さあアダム・スミス、ロッソー、マルクス、ケインズから始めよう!その中のそれぞれの相対的な公理を見出し、友と対論してみよう。自己の中の他者や死んでいる友を発見して対論してみよう。
米国にとって中東の安定は、原油調達という実利のうえで不可欠だったがシエール革命でこの地域への依存度はほぼゼロとなったその為アフガニスタンから米国は撤退したが医療と農業支援を続けた中村哲先生の行動と実績は、そしてその祈りは今尚健在である。
先生の生き方こそ人間の公理であり知恵である。
令和3年8月20日 廣田 稔