と題して22日日経新聞の朝刊一面にパクスの写真と資本主義社会の現状を載せている。
2035年に中国と香港を合わせたGDPは日米合計を上回る。中国は共産党の支配体制を守るためなら自由や人権を犠牲にすることも厭わない。
一方民主主義は自由・法の支配と結びつき経済成長を伴わないともろい。いつも衆愚政治に落ちる危険性がある。
民主主義国家では今豊かさがいきわたっていない。米国の上位1パーセントの富裕層は資産全体の3割を握る。中間層が喪失した。そのうえで今回のコロナウイルスである。各国はまず底辺を支え引き上げようと財政出動を増やした。しかし財政処置が大きすぎ増税などで資金を回収できなければ急激なインフレ・バブルの発生・崩壊がくる。トランプが再び出てくる、などとのべている。
中国に対抗するには自分で金銭追及を目的とする生き方をやめ人類と共生する生き方を身につける必要がある。それには自分が金銭に弱いことを自覚してそれを調整して自分を含めた家族なり周りの人と共生することが人間の本質にかなっているということを覚知する必要がある。まず自分の未熟さ大人になっていない様を覚知しない限り次のステップにはすすめない。
次のステップは前々回に述べた。
「地獄極楽を解いて神を説明したり真宗を信ずれば死後浄土へいけるという解き方ではなく『来世の幸福のことは私は実験しないことであるからここに述べることはできぬ。』という謙虚さを前提としてヘーゲルのいう理性と真理を一生かかって自己の中に探し求め、あるいは体現していく必要がある。」
ヘーゲルの理性と真理を追い求めることが阿弥陀如来・真如・法性の覚知方法であるといわれている。
そして次に我々は中村哲先生のように大がかりでなくても一隅を照らす必要がある。
この度の認めがたい春馬の死を受けて彼との未練のたちどころを得ることはかなり難しい。未練をたつことができぬゆえ今更のかんはあるが春馬が、五代友厚が希求した人間のあるべき姿を熟慮してそうして個人の英知を超えた集合的英知を求めて生き抜くしかないと決意している。
仏の教えも神の教えも受けながら歴史を学ぶことで人の有り様を求めて生きていく、とともに近くにいる人、困っている人のために地球のために生きていくしかないように思っている。
令和3年2月23日 廣田 稔