天外者という仮題で動き出している。しかし、五代友厚は天外者ではないとの反対意見もある。
「天外者」の題目について、大阪では渋谷天外(喜劇団)に重なるし、又、天外者は鹿児島弁では賢人のことと反対に愚か者に対して皮肉った言葉として使われるという理由である。監督、脚本家は天外者で行きたいと言っている。
唯、10月20日京都松竹で撮影現場に臨んで判明したことがある。天外者は、司馬遼太郎が坂本龍馬を奇蹟であると表したことと連なっていることが、映画の中での天外者が五代だけでなく、岩崎弥太郎、伊藤博文、大久保利通及び坂本龍馬たちでもあったとの見方も出来るそうである。彼らが公(皆)の為に生きるという道を求めて競い合い成長して行っている。そのことが今回の五代友厚映画の脚本の一つの大筋であるように撮影現場にて感じることができた。五代、岩崎、坂本を演じ、奮闘している役者さんの姿、京都松竹のスタッフの見事な働きからそれを感じることができて、感服した。
日本文化創造遺産、健在なり!
4人の競い合いのドラマを是非観て頂き、自らの人生との対比を劇場で試みられたい。そして悩み、自己確知をする機会を持たれることをお勧めしたい。
令和元年10月24日 廣田 稔